Company Profile

ハフィントンポスト(日本版)

あなたのコトバが、未来をつくる


政治やビジネス、社会情勢などを分かりやすく整理し、
各分野の専門家や有識者と個人が意見をやり取りできる、ソーシャルニュース。

http://www.huffingtonpost.jp


Interview Member


編集長:竹下 隆一郎さん



ハフポスト日本版 編集長
慶應義塾大学法学部卒。2002年朝日新聞社入社。
経済部記者や新規事業開発を担う「メディアラボ」を経て、
2014年〜2015年スタンフォード大学客員研究員。
2016年5月から現職。「会話が生まれる」メディアをめざす。

ブログエディター:井土 亜梨沙さん


1990年生まれ。一橋大学卒業。
森ビルで2年間まちづくりにたずさわり、
現ハフポスト日本版ブログエディター。
「Ladies Be Open」のプロジェクトを立ち上げ、
女性のカラダにまつわる様々な情報を発信している。
1カ月間メイクしない自身の生活を綴った「すっぴん日記」なども。



ある日突然。おもしろくなった!その「裏側」が知りたい。

一見お堅い「ハフポスト」
実は若い子たちが頑張っているらしい・・
しかも編集長が下の意見を取り入れてうまーくハンドリングしてるらしい。
年下の「意見」をどう組織にコンテンツにとりこんでいくのか
うまくいっているその裏側を聞いてきました。

HUFFPOST JAPANのオフィスは 小学校をリノベーションした 3331 Arts Chiyodaにある。 出典:3331 Arts Chiyoda

 

 

 

 

 

 

 

私は今、独立してコンサルティング業をしています。

会社員時代は経営者相手の営業をしていたので、
日経、東洋経済、Newspicks、ハフポストの
4媒体を通勤電車の中で一気読みしていました。

当時、(ハフポストさんが)すごく面白くなった!と感じていて。
ずっとなんでだろう。って思っていたんです。

先日、たまたまCEOである崎川さんが主宰の朝会に来てくださって。
お伺いしたら
「男子が面白くしたんじゃなくって、
若い女子たちが入ってきて面白くなったんだ」
という話を聞きまして。

そんなに組織が上手くいっている裏側が知りたいという事で
今日お時間頂きました。


 


一見お堅いHUFFPOST。実は若い子たちが頑張っていた!



佐藤:

お伺いした話だと若い子たちが頑張った背景には
下の意見を取り入れハンドリングした編集長(竹下さん)がいて
うまくいったと聞いています。
若い子がどういう視点で入社したのか
竹下さんはどうハンドリングしたのかしてたのかなっていうのが…気になります。


そもそも、新しい取り組みをする(今までの伝統は違うことをする)
とかなり周りからプレッシャーをうけると思うんですが、
そのあたり竹下さんはどうでしたか?


竹下さん(以下敬略)

プレッシャーを受ける要素はたくさんありましたし、
今もあります。

例えばクライアントだったり、
 世間だったり・・。
でも(プレッシャーは)あるんですけど。

 



佐藤:
プレッシャーはあるにしても、すぐそばで「直接」ではないから
ある程度新しいことは取り組みやすかった、という感じなんですね。

 

尖ったことをしたいとかではなく、「明日、もうちょっとその人が生きやすくなったら」と思っています。

 

井土さんの企画 LadiesBeOpen 出典:huffingtonpost.jp



佐藤:
私、ハフポストさんがこれだけ短期間で変化したのは
チームワークがすごく綺麗にいったんだろうなっと思っていて。


若手は伸び伸びアイデアを出したらいいじゃないですか。
でもそのアイディアを具現化する、形にする、社内政治含めて
やはり男性の力は必要なのかなと・・・。

実際に入ってきた人(井土さん)は、
入った経緯、入ってみてのギャップ
同じ時間軸で竹下さんはどう見てたのかを聞いていけたらと思います。

まず今回の主役である井土さんは
ハフポストの中でどんな仕事をしていらっしゃるんですか?



井土さん(以下敬略):

私は主に2つの仕事をしています。
ひとつはブログエディター。

ハフポストには、ニュース記事とブログ記事があるんですね。
そのうちわたしはブログ記事の方を担当してます。


今、大体1200人以上ブロガーさんがいらっしゃって、
登録しているので
その方たちのブログを上げる仕事をしています。

もうひとつはLadies Be Openという企画です。

Ladies Be Open▼
http://projects.huffingtonpost.jp/ladiesbeopen/


佐藤:竹下さんは今どんなお仕事を主に?

竹下:
私は今編集長として、
彼女みたいなブログエディターの他にニュースを書くエディターも含めて
全エディターを統括する仕事をしています。

編集部の十数人はわたしが見ていて、
1200人のブロガーさんを井土が見ています・・・。


佐藤:
井土さん結構すごいですね(笑)
1200人見てるって…。タレントが1200人いるみたいな。
それちょっと怖い…井土さんすごいですね。

竹下:
そうですね(笑)
だから私以上に見てるんですよね。

井土:
私のもう一つ仕事、Ladies Be Openという今年立ち上げた企画なんですが。
これは、女性の体についてもっとオープンに話そうって企画で。
ハフポストの中ではかなり尖った企画だと言われています。
私の中ではまだまだかなって思ってるんですけど(笑)

佐藤:
もうちょっと尖らせたいと・・。暴れ出す?

井土:
いや、暴れ出すというか(笑)

割と社会の中でタブー視されてきた、
例えば生理だったりとか、女性の体にまつわる事をもっとオープンに話せたら、
それで明日もうちょっとその人が生きやすくなったらいいなという想いがあって。
そう考えると、まだまだ出来ることがあるなと思っています。

ど素人で入社。高尚な話がまったくわからない、ランチタイムが唯一の救い。

井土さんはディレクターとして記事も執筆している 出典:huffingtonpost.jp 

佐藤:
ちなみに井土さんはどういった経緯で入社したんですか?

井土:
私はすごい変なルートだと思います…。
新卒で不動産デベロッパーで働いていて、土地を買う仕事をしていました。

佐藤:
新卒で不動産のデベロッパー。想像するに、
組織構造的にも、社内の年齢層も高く、若手にとってやりづらい部分があったかと…。

井土:
そうですね、男社会だなっていうのはすごい感じました。

私が居た部署も女性は本当少なかったですし、上司は全員男の人。
会社としては、不動産業界の中では女性が多い方なんですけど、
他の業界と比べると女性が圧倒的に少ないかなというのは感じましたね。

 

佐藤:
2年そこで働き、ハフポストへ。
かなり畑違いですよね。きっかけはなんだったんですか?

井土:
私帰国子女なんですけど、アメリカ版のハフポストをずっと読んでいて、
日本版も出来て、社会人でもずっと読んでいて。

佐藤:
社会人でハフポスト読んでる不動産デベロッパーにいる人って少ないかと・・。
相当意識高い・・・。(笑)


井土:
私が転職するって言った時に、同期21人いるんですけど
2人くらいしかハフポスト知らなくて(笑)

わたし、ハフポストのずっとファンだったんですよね。

自分が仕事で大変だった時とか、生き辛いなって思った時に、
記事を一本読むだけで、ハッピーになったりとか、生きやすくなったりするな。
っていう感じがしてたんです。

ジャーナリズムをやりたいっていうよりは、
その組織がどういう風になっているんだろうっていう
興味本位で入ろうって思って、履歴書を出しました(笑)

まさか受かるとは思わなかったんですけど。

佐藤:
入ってから、どうして採用されたとか聞いた事ありますか?
何が決め手だったのか…だって言ったらあれですけど「ド素人」ですよね。
その当時は。

井土:
そうですね・・。うーん、なんだろうなあ。

変わった経歴っていうのと、海外にも住んでたりとか、
私の価値観とか考え方がすごいハフポストにあっていた。

それをハフポストが、今までのジャーナリズム畑の人じゃなくて、
別のところから人を入れることで、
ハフポストもまた更に新しく変わっていくんじゃないかっていう期待はあったのかなと。


佐藤:
入ってみてどうでしたか?今でも色々手探りの中だとは思いますが。

井土:
そうですね。当時はネットも初めてですし、ニュースも初めてですし、
すべてが初めてで・・。

佐藤:
最初にした仕事は何だったんですか?記事を書くとか?

井土:
ブログエディターとして入ったので、
ブログを上げるっていう作業をしてたんですけど。

そもそも、最初は、会話が出来なかった・・・。(笑)

あの、オフィスで飛び交う会話があまりにも高尚過ぎて、
教養高い人たちの会話ばっかりだったんですね。

佐藤:
えっと、想像がつかないので、「教養高い人たちの会話」の事例を・・(笑)

井土:
えーと・・。(笑)なんていうか・・。
もともといた人たちは、ジャーナリズム畑出身の方たちが多くて。
話自体が高尚で・・。それと昭和世代の人たちが多かった。

私海外に住んでたっていう事もあって、日本の事とかよくわからなくて・・。
会話に入れなくて、すごい孤独を感じました。

その当時、唯一救いだったのが、
今のスチューデントエディターの子たちでした。一番年が近くて・・。

私、当時26、27歳で入社したんですが、

自分と年が近いスタッフがいても
高尚な話にドンドンついていけるような人達ばっかりで・・。

なんかもう、本当に自分がしゃべることが恥ずかなる!!!という感じで。
私、オフィスに居れない・・!と思っちゃって。


でもその時唯一私の救いだったのが
スチューデントエディターの子たちで

彼ら彼女たちとランチに行った時に、
やっとこう自分らしく話せるっていう気がしたんです。
いまは女性の方が男性より多いですし、
若いメンバーも増えて雰囲気が変わりました。
 
 

「きちんと、間違いなく、しっかりやらなきゃ」
目の前のことで手がいっぱい。イタリア行きで一気に視界が広がった

ハフポストインスタは女子力高め。 出典:huffpostjpgram



佐藤:

そんな状態でエディターの仕事をスタートして、
企画も立ち上げ、今では1200人のブロガーさんたちをまとめてますよね。

そこまでどうやってステップアップしていったんですか?
最初からぐいぐい、わたしこれやりたいです!!
という感じもしないので・・・。


井土:
そうですね、、。あの、本当に時間がかかりました。

やっぱり右も左も分からなかったので、
毎日毎日が教えてもらう日々で、勉強勉強という感じで。

去年の11月なんですけど、竹下に呼ばれて、会議室に。
「ちょっとイタリアに行ってほしい」って言われて。(笑)

 

佐藤:結構な無茶ぶりをしますね。(笑)

竹下:そうですね。(笑)

井土:
わたし、何のことかさっぱりわからなくて。

ハフポストで、年に1回グローバルサミットという
17か国・地域の編集部員が集まるサミットがあるんですけど。

それに一緒に来てほしいっていう意味でした。
分かりましたと、とりあえずイタリアに行きまして。


その時にすごい色んな国の人と喋って、、。

再確認したんです。
ハフポストの良さを。
本当に壁を越えてみんな明日を良くしようっていう風に前向きな姿勢が見えて。

本当にすごい人達ばっかりの集まりだったんですけど、
自分なんてペーペーだけれど、
なんか背中を押された感じがしたんですね。

どの編集長も私がただの編集部員だって分かってても
話しかけてきてくれたりとか。

「日本ではどういう事してるの?」って。

壁がないコミュニケーションが出来ていて
まさにこれがハフポストだ!っていう感じでした。

「じゃあ、私なりに出来ることはないのか」っていう感じで、
そこで本当に頭が切り替わりました。

 

佐藤:
目の前の事をやっていくのに必死だった時に、
そこでちょっと…視野が広がったんですね。

井土:
当時は目の前のブログを上げるっていう事が自分の仕事だ!
ただ一生懸命で・・。とにかく
間違えを犯しちゃいけないっていう風に思ってたんですね。

でもこのイタリアで
「もっと自由でいい組織のはずだ」っていう風に気付かされて。

日常からふって外れて、俯瞰して見れた時にスイッチを押させてもらって、
「あ、そうだそうだそうだ私これがやりたくて入ってきた」って。

ハフポストってこういう組織だったっていう事を再確認し

そしたらもっとブロガーさんの為に何が出来るかとか、
ハフポストに何が出来るか。
自分の中で何が出来るのかっていう事を考えるようになりました。

 

イタリアから帰国。ジャーナリズムはわからない、でも、あの痛みはわかる。圧倒的読者目線で新企画。

「痛みのことならわかる」帰国後立ち上げたladiesbeopen記事 出典huffingtonpost.jp

佐藤:
(イタリアへ)行く前と行った後で、
ブロガーさんへの対応の仕方とか、
企画の上げ方で自分でも変わったなとか
周りからも変わったねって言われたことはありましたか?


井土:
そうですね、まず一番大きいのはLadies Be Openを立ち上げた、そこですね。

立ち上げる企画をもう年末の時からしていて。
当時は、私が自分の生理痛が重い事を上司に話したんですね。

私はジャーナリズムもニュースもネットも知らないし
社内の高尚な話も全然ついていけいない。
でも、生理の痛みならわたしわかるし知ってる!!と思ったんです。


すごいおこがましい言い方かもしれないですけど
ある意味、読者に一番近い存在なのかなって思って。

自分自身も、自分の同じ世代の人たちとか、
前の会社の同期はハフポスト21人中19人知らなかったんですけど・・・。

その19人に伝わるような記事が書けたらいいなって。
書けたらいいというか届けられたらいいなって。

生理も痛みしか知らないかもしれないけど、
じゃあそれをなんとか上手く伝える方法はないのかって


企画として立ち上げていく中で
生理だけじゃなくて、本当に日々の暮らしの中で、
女性の暮らしの中で、問題になっていることを、
体にまつわることで、発信していきたいと思ったんです。

 

佐藤:
「きっちり・ミスなく・やらなきゃ!!!」と思ってた時と
イタリアから帰ってきてスイッチが入った時と
人とのコミュニケーションの仕方が大きく変わったことはありますか??:

 

井土:
そうですね、もともと悪いコミュニケーションをしていたとは思わないんですけど。
コミュニケーションの仕方は確かにちょっと変わっていきましたね。


例えばその新しい企画を立ち上げたりとか、
イベントをしたりする時にもっとブロガーさんを巻き込むようになりましたね。


1200人をまとめ、企画を立ち上げた。その先でやりたいこと。

 

イタリアから帰国後、立ち上げた企画。 ladiesbeopen切り口はかなり尖っている。 出典:huffingtonpost.jp



佐藤:
ちなみに、来年とか再来年はどういう事をしたいとか考えてたりするんですか?

井土:
はい、来年再来年はそうですね・・・。今、結構目の前の仕事がいっぱいなんですけど。

佐藤:じゃあまたイタリア連れていってもらって・・(笑)

井土:そうですね(笑)
もっと色んな国の、各国版を巻き込んだ、
「ムーブメント」を作りたいなっていう風に思ってます。

「ムーブメント」を作るっていう事をハフポストの一つの仕事だと思っているので。
それをもうちょっと大きい輪に広げられたらなと思っています。

 

お話をお伺いした井土さん。今回インタビューのきっかけをつくっていただいたCEO崎川さん。



前半は井土さん(若手目線)でのハフポストの裏側をお伺いしました。

目の前のことに必死、しっかりやらないと。
という状態から
「イタリア行き」で視野が広がり一気に企画が動いた井土さん。

後半は、同じ時間軸で編集長である竹下さんは彼女をどう見ていたのか
お伺いしていきます。


 

後半はこちら▼
若手時代の感覚を忘れていないか。
伸びる企業の裏側!HUFFPOST飛躍させたチームワークのコツ。